ヤマトのメール便や、日本郵便のゆうメール。
ダイレクトメールなどの送付に、よく利用されています。
普通郵便より安い上、配送状況の確認までできるという点がメリットです。
また、郵便局からは、ゆうパック、レターパックなどで書類を送ることもできますが、
送り先が税務署なら、どの方法で送るかに注意が必要です。
※追記
ヤマトのメール便は2015年3月末をもってサービスが廃止されました。
送る手段に気をつけなければならない理由
1. 申告書は信書。郵便法上、限られた方法でしか送れない
法人税や所得税の申告は、電子申告ができますが
相続税の申告は電子申告ができないため
申告書を税務署の窓口に持参するか、郵送で提出します。
相続税は、土地の評価資料や非上場株式の決算書類など、申告書に添付する資料が膨大になり、
郵送せざるを得ない、という事情もあります。
その際に、どんなにリーズナブルでも、
ヤマトの「メール便」や日本郵便の「ゆうメール」は使用できません。
郵便法上、これらの手段では信書を送れないことになっているからです。
信書とは、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書のこと。
税務の申告書や申請書は、信書に該当するので、NGです。
セブンイレブンでメール便を送るとき
お店の方から小さい紙に送付物の欄にチェックマークをつけ、署名をするよう求められますよね。
これは、送る書類が信書ではないことの確認です。
また、ヤマトの「宅急便」や日本郵便の「ゆうパック」も、信書は送れませんが
日本郵便の「レターパック」はOKです。
普通郵便よりレターパックの方が安いケースもあり、レターパックが多用されているようです。
※レターパック
510円のレターパックプラスと360円のレターパックライトがあり、
A4サイズ・重さ4キロ以内の送付が可能。
ただし、ライトは厚さ3センチ以内のものに限られ、相手に手渡しはされません(ポストイン)。
2. 期限に間に合ったかどうかの判断基準が違う
税務書類には「いつまでに」税務署に提出すること、と期限が定められているものが多くあります。
たとえば、相続税の申告書は、相続から10か月以内が申告期限。
遅れると、無申告加算税5%や延滞税2.9%(H26年/2か月遅れの場合)が、別途かかります。
たとえば、平成25年8月31日に相続が発生したら、相続税の申告期限は平成26年6月30日。
もし、6/30ギリギリに、申告書を税務署に郵送するなら
簡易書留、特定記録、レターパックならOK(期限内・間に合ったことになる)ものの
ゆうぱっく、宅急便、ゆうメール、メール便はNG(期限後・間に合わない)ので、要注意!
異なる理由は「期限に間に合ったかどうか」の判断基準が、それぞれ異なるからです。
【国税通則法 第22条 郵送等に係る納税申告書等の提出時期】
納税申告書(当該申告書に添付すべき書類その他当該申告書の提出に関連して
提出するものとされている書類を含む。)その他国税庁長官が定める書類が
郵便又は信書便により提出された場合には、
その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日
(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないときは、
その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合に
その日に相当するものと認められる日)にその提出がされたものとみなす。
上記の「郵便又は信書便」にあたる、簡易書留、特定記録、レターパックなら
「送った日(通信日付・消印日)」 に提出したことになりますが(発信主義)
ゆうぱっく、宅急便、ゆうメール、メール便だと
「税務署に到着した日」 に提出したことになってしまうので(到達主義)、
7/1か7/2に届いたときには時すでに遅し。期限後申告になってしまいます。
住宅取得等資金の非課税など、期限内申告が「要件」とされている規定の場合
送る方法を間違えただけで、特例の適用を受けられず、多額の税負担が生じてしまいます。
十分気をつけましょう。
ひとりごと
お客様から、福を頂きました。ありがとうございます。