税理士・ファイナンシャルプランナー 福田真弓のブログ

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マンションの敷地にも「地積規模の大きな宅地の評価」を適用できます

相続税

週刊税務通信 NO.3485(平成29年12月4日)

「地積規模の大きな宅地の評価」 マンション1室も適用可
マンション敷地全体で地積要件を判定
中低層マンションでの適用が見込まれる模様

「広大地の評価」は「地積規模の大きな宅地の評価」へ

遺産の中に広い土地がある場合、通常より評価額を大幅に下げられる方法があります。

それを「広大地の評価」といいますが、今年いっぱいで廃止され
来年平成30年1月1日以後の相続からは、「地積規模の大きな宅地の評価」というものに変わります。

広大地より要件が明確化され、税理士は楽になるものの
要件がシンプルなだけに適用もれが怖いところです。

しかも従来は、どんなに広い土地でも、マンションの敷地には一切適用できませんでしたが
来年からは、要件を満たせばマンションの敷地にも適用できるようになります。

「地積規模の大きな宅地」にあたるかは、敷地全体で要件を判定するため
相続財産がマンションの1室という申告事案にも、適用できるケースが出てきます。

「地積規模の大きな宅地の評価」の適用を受けられる土地は?

【1 地積】 500㎡以上(三大都市圏)、1,000㎡以上(それ以外)

【2 地区区分】
路線価地域は「普通住宅地区」又は「普通商業・併用住宅地区」のみ。倍率地域は制限なし。

【ただし、以下に該当するものは除く】
・ 開発行為を行えない、市街化調整区域の宅地
・ 都市計画法の用途地域が、工業専用地域の宅地
・ 大規模工業用地
・ 一定の指定容積率以上の宅地(東京23区は300%以上、それ以外は400%以上だと対象外)

路線価地域は、間口狭小、奥行長大、不整形地などの各種補正率と併用できる点も
旧広大地との大きな違いです。

(倍率地域の場合も
固定資産税評価額を使わない場合は、普通住宅地区の各種補正率を併用できます)

資産評価企画官情報第5号
「財産評価基本通達の一部改正について」通達等のあらましについて(情報)
地積規模の大きな宅地の評価(平成29年10月3日)

国税庁が公表しているこの情報には、通達には記載のない細かな取り扱いや
以下の「判定フローチャート」も載っていますので、確認しておきましょう。

どんなマンションが対象になる?

23区内は指定容積率300%以上だとNGなので、通常、タワーマンションは対象外ですが、
中低層のマンションは、適用を受けられることもありますので、必ずチェックが必要です。

路線価図だけではなく、都市計画図の確認がいりますね。

都心部のサラリーマンは、自宅が高級低層マンションの1室というケースもあるからです。

国税庁のHPにある「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件チェックシートについても、
確認しておいた方が安心です。

(国税庁HPより)

また、容積率は「指定」容積率だけで判定し、
前面道路の幅員によって決まる「基準」容積率は考慮しません。

それもまた、とてもおかしな気がしますが
この点は資産税に詳しい人ほど間違えそうですので、気をつけましょう。

「自分でできる相続税申告」に載せた事例は対象外

拙著でも、マンションの敷地の評価方法について解説しています(P168)

実在するマンションの謄本や地積測量図を参考に、評価明細書の例を載せましたが
ゲラの段階で「もしや、この事例、地積規模の大きな宅地の評価が必要だった?」と思い
(実在しない住所なので、問題にはならないのですが)
一応、参考にしたマンションの容積率を調べたところ、指定容積率300%で、適用対象外でした。

こんな風に、いつもヒヤヒヤドキドキなのですが
職業病とはいえ、これも一種の老化防止なのかもしれません。

ひとりごと

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また、札幌在住の友人は、日帰り東京出張の合間に、私の大好物ばかりを持って事務所に来てくれました。


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-相続税

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