併用OKです。地積規模の大きな宅地と小規模宅地等の特例

相続・遺言・遺産分割

平成30年1月1日以後の相続からスタートしている「地積規模の大きな宅地の評価」
「小規模宅地等の特例」と併用できます。

従来の広大地と同じです。
併用OKです。広大地と小規模宅地等の特例/Living Planner

上記ブログは、新・地積規模の~ではなく旧・広大地の記事ですが
いまだにググってたどり着く方がいらっしゃるのか、多く読まれています。

※パレスホテルからの景色

「地積規模の大きな」宅地に「小規模宅地」特例を使うのは変?

先日、女税の研修会に参加したところ、講師の笹岡宏保先生が
地積規模の大きな宅地にも小規模宅地等の特例は適用できますからね。念のため」
とおっしゃいました。

地積のきな宅地に規模特例が使えるのはおかしいのでは?という質問があったそうです。

へ~~~

規定を字面だけ見ると、そんな誤解や不安が生じるのかもしれませんが
相続した土地がそれぞれの要件を満たすなら、もちろん併用OKです。

ただし、小規模宅地等の特例の適用を受けられるのは、上限面積までです。

(参考)財産評価基本通達20-2 地積規模の大きな宅地の評価

「地積規模の大きな宅地の評価」は、通達に基づく土地の評価方法です。

財産評価基本通達第2章「土地及び土地の上に存する権利」
第2節「宅地及び宅地の上に存する権利」に記載されています。


1㎡あたりの路線価に、補正率(規模格差補正率0.80~0.64)をかけて計算します。

他の補正率とも併用でき、奥行価格補正率や不整形地補正率などと同じように使います。

マンションの敷地にも「地積規模の大きな宅地の評価」を適用できます/Living Planner

計算例

200,000円(路線価) × 0.97(奥行価格補正率) ×0.75(規模格差補正率) × 1,560㎡(地積) =226,980,000円

(参考)租税特別措置法第69条の4  小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

「小規模宅地等の特例」は、法律(租税特別措置法)に基づく相続税の課税価格の計算の特例です。

要件を満たす被相続人の親族が
被相続人等の居住用または事業用の土地のうち、一定のものを相続した場合、
土地の課税価格を8割または5割減額できます。

※なので、厳密にいえば小規模宅地等の特例は、土地の評価減ではありません。
ただ普通の方には難しすぎるので、「評価減」とざっくり説明するのが一般的ですけれど(^-^;

ひとりごと


税理士の綾野真紀さんと、パレスホテルでアフタヌーンティー。
ブログの記事がご縁で実現。名古屋のおみやげをたくさん頂きました♪

1足のわらじすら履きかねてたけれど/Living Planner

 

-相続・遺言・遺産分割

関連記事

認知症の相続人がいる場合の申告期限はいつ?

目次1 相続税の申告期限は死後10か月?2 相続人が認知症の場合2.1 1. 既に成年後見人が選任されている場合2.2 2. 成年後見人が選任されていない場合3 財産評価の時点は?4 ひとりごと 相続 …

妻と子が不仲なら「配偶者居住権」の活用も選択肢のひとつです

民法相続編が改正され 亡くなった方の配偶者が死ぬまで無償で自宅に住める「配偶者居住権」ができました。 2020年4月1日以後の相続からスタートします。 目次1 配偶者居住権1.1 改正のポイント1.2 …

改正相続法を味方につける。自筆証書遺言がより手軽に・確実に

民法(の相続に関する規定)が、約40年ぶりに変わります。 そのうち、特に影響が大きいと思われる「自筆証書遺言」の改正点をまとめました。 目次1 今までは「公正証書遺言」が主流1.1 公正証書遺言とは? …

国税庁HPに「小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を適用した相続税申告書の記載例」の掲載あり

国税庁のHPには 小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を適用した相続税申告書の記載例が 掲載されています。 父が死亡、母と子2人の計3人が父の遺産を相続し 小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減の適用を …

家族による立替金も債務控除を忘れずに

相続税の債務控除は、 相続人が「死後に」支払ったものに限らず、「生前に」立て替えたものも対象になることが多いです。 領収書は、大切に保管しておきましょう。 目次1 債務控除とは2 家族による立替金は3 …