朝日新聞に連載中の「備える相続税」
ようやく8回目の原稿を送り、残るはあと2回分になりました。
「今は本も書いていないし、週1×10回なら何とか」と引き受けたものの、苦戦中。
最大の理由は「毎回1258字」という字数制限です。
目次
「選ぶもの」と「捨てるもの」
本などの長い文章を書くのは時間がかかり、物理的には大変です。
ただ、量をたくさん書けるので、
「書きたい!」と思ったことは、比較的、制約なく書けます。
でも、今回の連載は17字×74行=1258字。
改行のため潰れる文字数もあり、デスクの校正も入るので、私が書く目安は約1200字。
6月中に、全10回分のテーマと、執筆内容のキーワードを網羅した表を作成し
デスクの方には送付済で、あとは書くだけ、です。
でも、実際に執筆を始めると、途中で数千字まで達してしまい
削ったり、足したり、まとめたり、言い換えたり、匂わせてみたり、いろいろしながら
そこでやっと「書きたい項目の全部」は入らないと気付きます。
全部、入れたい…
でも、どうやっても入らない…
気づくのが遅い、というか、諦めが悪く
そこから「選ぶもの」と「捨てるもの」の線引きに入るため、毎回時間がかかっています。
自分の人生が1258字しかなかったら
で、昨夜、ふと思いました。
「これって、人生と同じかも」と。
「やりたいこと」「やらなきゃいけないこと」「やった方がいいこと」いろいろある。
自分なりに取捨選択しているつもりでも、それは、漠然と人生が90年
本1冊分、80,000~90,000字あるつもりだからであって
もし、自分の人生が「1258字」しかなくて
書きたいことを絞って連ねても、どうやっても足りないと分かったら
「選ぶもの」と「捨てるもの」を、今よりもっと吟味して、潔く捨てているはず。
「もし1258字だったら、何をするだろう?」とイメージし、もっと意識的に選ぼうと思いました。
「力を入れるもの」と「抜くもの」
そして、いったん「選ぶ」「捨てる」を見極めたら
選んだものの中で強弱をつけ、「力の入れ方」と「抜き方」をコントロールする必要がありそうです。
極めるべきことと、極める必要のないことの濃淡をつけないと、1258字には収まりません。
私はまずは、健康と家族かな。
害しがちなので…
税理士試験は「選ぶ・捨てる」「力を入れる・抜く」の典型
税理士試験、私は「実務経験なし+簿記2級(独学)」の状態から
大原の税理士コースに通い始め、5科目を取りました。
そして、全科目
・大原の授業
・大原の全資料(テキスト・個別問題集・総合問題集・各種答練)
だけしか、やっていません。
大原が、私の税理士試験の「1258字」だった、ということですね。
一応、「TACの方が難易度の高い論点もやっているから、大原生は不利」と聞き
何科目かは、TACの答練コピーを友人から手に入れ、未知の論点だけチェックしましたが
多分、それをやらなくても合格できたと思います。
税法は理論が覚えられず(特に1年目)、Cランク以下は捨てたくなります。
私も「簿・財・消」→「法・相」の順で、複数科目ずつ受験したのですごく迷いました。
でも、どんなに時間がなくても、大原の資料に載っていたことは
頭で理解しながら、目だけは通しておきました。
受験生の多くを占める大原生が学ぶ内容は、覚えきれなくても捨ててはダメだと。
その結果、財表は、合格ラインが30点台だったという超難問の中、基礎だけを確実に拾い
同じく消費税も、捨てた人が多かった「国等の特例」の理論問題を、自分の言葉で書けたため
ラッキーにも1年目で合格できました。
改めて、運だけで生きているような人生ですが…
でも、大原を「選び」、他は「捨て」た。
ただ、「選んだ」大原の資料は「力を抜きつつ」も捨てなかった。
このやり方は、仕事をしながら様々な勉強をしている方に、活かせるのではないかと思います。
会計や税法の内容を1年間で、全部覚えようとする必要はありません。
それは無理だし、この先、実務でずっと学ぶので、大丈夫。
試験はあくまで、その年の受験生の上位1割に入ればいいだけです。
「逆算手帳」もオススメです
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ひとりごと
ローマ歌劇場の「椿姫」、初日を観に行きました。
先週は、この会場で歌ったため、ステージや控室にいましたが(柱はサインだらけでした)
今週は、客席で聴く側です。
主人いわく「会場は同じだけど、歌が(違いすぎるね)」とのこと。
そりゃ、先週は素人で、今週は超一流ですから…
でも、私は歌う方でも、聞く方でも幸せで
それは、苦労している原稿があるから、より幸せを実感できるのだと前向きに。