自分のパーソナリティは、生まれながらに与えられた自分だけの武器。
だからこそ、重要なのは「自分の魅力」を高める努力です。
もっと報酬を払いたい!
「税理士さんに払っている報酬を今より増やしたら、もっと…(もにょもにょ)でしょうか?」
ある資産家の方から、こうたずねられました。
※もにょもにょの部分は、アドバイスをもらえるかな、とか、コミットしてくれるかな、とか
ぼやかしていらっしゃいましたが
私はその方の顧問税理士さんとは直接の面識はないものの
能力・人格、ともに優れた方だと、噂では聞いています。
「○○先生なら、今でも十分、よく見て下さっているんじゃないですか?」と聞くと
「もちろんです。だけど、もっとお金を払えばもっと…(もにょもにょ)と思って」とのこと。
それにしても
タフな税務調査や事業承継のことなど、既に熱心に対応して下さっているようなのに
「もっと見てもらいたいから、もっと報酬を払いたい!」とは、うらやましいやら、驚くやら。
単なるお客さまではなく、もはやファンだといえるかも。
でも、税理士へのこういったご要望、特に資産税(相続・事業承継)分野ではよく耳にします。
税理士に限らず、高級な商品やサービスを買うお客様からは、こんなご要望もあるのではないでしょうか。
「何をする人か」ではなく「どんな人なのか」で選ばれている
この一件で、3年前に読んだ本のことを思い出し、再度手に取ってみました。
・ 経済的な成功の85%は、人間の個性やコミュニケーション能力、交渉力、統率力によるもので、専門知識は、成功要因の15%しか占めていない
・ 私たちは幼い頃から「より良くなるために一生懸命頑張りなさい」と言われてきた。
でも実際には「ベター」なものが「より優れている」わけではない。ベターは幻想
などに、当時はかなり衝撃を受けました。
でも、今回読み直し
・ 強みは他の人とかぶるし、追い越される。
でも、自分らしさで自分に勝てる人は絶対いない・ より豊かな人生を手に入れるために必要なのは、
自分を変えることではなく、もっと自分らしくなることだ
などには、改めてなるほど納得でした。
とかく専門家は、自分の売りを「何をする人か(してきた人か)」という点に求めがち。
たとえば、学歴、職歴、専門分野など。
もちろん、それらを重視するお客さまも中にはいますが、
最終的には「どんな人なのか」で選ばれていると感じます。
魅力なんてない?
魅力とは、人を惹きつける力。
でも大半の方は「自分には特別な魅力なんてない」と思っているのではないでしょうか。
でも、「魅力」というと大げさですが、
単に「人との違い」と言い換えたらどうでしょう?
例えば、私なら
独立して10年近くがたちますが、頑張ってもちっとも売上が増えなかった分野の業務もあれば
まったく望んでいなかったのに、どんどん依頼の増えた分野の業務もあります。
意図せず、人から求められたこと。
それも「自分の魅力」です。
また、会社に勤めている方でも
同僚は不満たらたらでやっている業務とか、みんなは嫌がっている人との仕事でも
「自分はそれほど苦じゃないのにな」と感じる仕事はないでしょうか。
それも「自分の魅力」です。
私にも、いくつかそんな仕事がありました。
なぜ他人は嫌だと感じるのに、自分は嫌ではないんだろうと突き詰めて考えれば
自分で自分の魅力のかけらに気づけます。
税理士はコモディティ
また税理士は、特にコモディティ化しやすい職業です。
入力や申告書作成は、誰でもでき、他者と差別化できません。
そのため、報酬の安さが売りになってしまいます。
だからこそ、競合相手と、品質や価格で競わないようにする必要があります。
どんな商品やサービスでも、値段は安い方がお財布に優しいし
品質だって良い方がいいに決まっています。
でもお客様は、最終的には自分が「好きだと思う人」を信頼できると感じ、選びます。
顧客対応しかり、情報発信しかり、
国家資格で食べているからこそ
今後は前述の○○先生のように、単なるお客さまではなくファンを増やす努力が必要です。
ひとりごと
昨夜は大学時代の友人と、士業の執筆仲間とゴハン。
知り合いの知り合いは、知り合い同士。
世間は狭いものです。