税理士登録20周年

働く

執筆させて頂いた、雑誌の校正ゲラをチェックし終えた後に
自分のプロフィール文をふと見たら

先月、税理士登録、満20周年を迎えていたことに気づきました(遅い)。

2003年1月→2023年1月。

でも、和暦と西暦があちこち混在していて
税理士証票も平成15年1月登録と和暦で記載されていたので

まったく気がつきませんでした。

税理士登録20周年

税理士登録以前、というか、試験にすら受かっていなかった頃は
「税理士」の肩書きを持っている人が、「すごい人」に見えていました。

こんなに大変な試験をクリアして
さらに2年の実務経験を積んで、登録して

それだけで、ピカピカキラキラというか。

でも、いざ自分がその立場になったら
何年「税理士」をやっても、知らないことは山ほどどころか星の数ほどあるし

さらに毎年の税制改正で、内容もどんどん変わるから
学び続けるのに必死、というか追いつけず(老化防止にはよい)。

ずっと手探り、ずっと未熟だという自覚がハッキリ、ある。

だから「祝・税理士20周年!」といって胸を張れる気が全然しません。

「過去の遺産で食べている感」の居心地悪さ

あとは自分の中に
「過去の遺産で食べている」的な居心地悪さがあったんですよね。

相続税の決まりごとは、税理士試験のために学んだことがベースだし
相続の実務だって、タクトで一から手取り足取り教えてもらったことなのに

独立後、それを本にしたり、しゃべったりしたら
さも「新しいこと」のように受け入れられて。

2015年の基礎控除額引き下げで、相続税が庶民化してからは特に、ですが。

「いや、これって大昔から本郷社長が言ってたことばかりだけど」みたいな。

遺産は活かしてこそ、のもの

ただ、確かに
相続には決まった仕組みがあるし、過去の実務経験も役にたっているけれど

相続の対象となる土地や会社(自社株)に、ひとつとして同じものはないし
肝心のお客様だってひとりひとりまったく違う。

改正だって毎年ある上、さらに
過去の遺産を土台に、自分で深めた学びや広げた世界もあるから
「過去の遺産で食べてて上等でしょ!」と胸を張ったっていいのかもしれません。

そもそも税理士が、古い規制で守られた独占業務ですし。

過去の遺産を活かしてこそ、なのは
遺産分割や相続税の対象になる、いわゆる「遺産」も同じですよね。

相続人に、よりよい未来を与えるも、スポイルするも。

財産は、人に大きな可能性も与えるけれど、可能性を奪う側面もある。

だから二代目、三代目の方も
税理士21年目に突入した私も

過去の遺産はどんどん活かしていきましょう!

-働く

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