子どもNISA、非課税なのは「贈与税」ではなく「所得税」

税・お金

申告書の控をお返しする際、
そのお客様に関係がありそうな、今年度の税制改正の話をしています。

そこで驚いたのは、子ども版NISAへの認知度の低さです。

大人版NISAでさえ、主要証券会社10社合わせて421万口座しかなく
さらに稼働率は、口座開設数の半分以下だそうなので、やむを得ないのかもしれませんが…
証券会社さん、ガンバって~!

「子ども版NISA」とは、親や祖父母が、 子や孫名義でNISA口座を開設し、資金を拠出・運用した場合
年間80万円の投資額まで、配当や譲渡益への所得税が非課税になる制度です
(通常は、20%の所得税がかかります)。

が、子ども版NISAのことを知っていた人でさえ
年間80万円までの資金拠出そのもの(にかかる贈与税)が非課税だと思っていたらしく\(◎o◎)/!

この制度による資金の拠出は、 れっきとした贈与であり、 贈与税は非課税にはなりません。
非課税なのは、その運用益にかかる所得税だけ。

とはいえ、贈与税には年間110万円の非課税枠があり
その年の贈与が、子ども版NISAの最大80万円だけなら、贈与税はかかりません。

ただし、子ども版NISA「以外」の贈与が、110万円-80万円=30万円を超えると
贈与税がかかりますので、要注意!

ちなみに、子や孫は未成年者なので
もらった人が20歳以上の贈与に使える、暦年課税の軽減税率や相続時精算課税は使えません。

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自宅からふらり都バスに乗り、椿山荘近くの永清文庫と講談社野間記念館へ。

今の季節、絵画や書に加え、芽吹き始めた道や庭の木々を見るのも楽しみのひとつです。
ハクモクレンのつぼみも、昨日と今日の暖かさで、もう開いたかな?

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