「そんなつもりじゃなかった」と後で言わなくてすむ仕事の受け方

働く

事前に作られたストーリー通りの話をする専門家

元総理銃撃事件の容疑者について、とある医師が

「自分はひどい目にあったのだから、
人生に損害賠償をしてもいい」という歪んだ特権意識で犯行に及んだ

とテレビで解説していたそうです(私は見ていません)。

この解説に
犯罪心理学がご専門の筑波大学の教授(マスコミにもよく出られている)が
SNS上で猛烈に反論していらっしゃいました。

先生にも、番組から取材の問い合わせがあったそうですが

きっとこの番組には
事前に作られたストーリー通りの話をする「専門家」
求められていたのでしょう。

先生は、アディクション(依存症)に加え
エビデンス・ベイスト(根拠、いるよね?)という心理臨床がご専門であり
根拠のないコメントに猛然と反論されるのは、当然だと思います。

その後、別の媒体でご意見を述べられていらっしゃいました。

依頼を受ける前に察知し、断る

そういえば、以前、上場企業の社長さんが
テレビは生放送しか出演しないとおっしゃっていました。

「収録番組やニュースは、都合のいいように切り取って編集されるから」と。

FPさんも、同じことをおっしゃっていました。

雑誌の取材や監修でも、発言の一部が切り取られ
「そういうつもりじゃなかったのに」ということがある。
なので、福田さんも気をつけて、と。

確かにテレビに限らず、雑誌の取材やセミナー、動画配信なども
依頼主の描いた筋書き通りの話を求められることがありますね。

相続は「お金」になるネタなので、特に。

私は、先方の媒体名や担当者のメールの雰囲気だけで
依頼の詳細を聞く前に、断ってしまうことが結構あります。

恣意的に話を切り取られそう、話を誘導されそうな場には
最初から近づきません。

後で「断ればよかった(他の方に頼めばよかった)」と思うのは
きっとお互いにストレスですよね。

武士は食わねど高楊枝も、時には必要です。

「自分の正義」を隠さない

先日、引き受けた仕事は
先方から「こんなことを話してほしい」という、ざっくりしたストーリーがありました。

ただ一部、私がそうは思わない(むしろ逆)という内容があったので、
それをそのまま、先方伝え
代わりにこんな言い方ならできます」と提案したら、OKを頂けました。

報酬を頂く以上、依頼主の利益になるようにするのは当然です。
仕事ですから。

そことどう折り合いをつけるかは、今も悩みますが

私が働く目的は
利益追求だけじゃなく社会的善(ソーシャルグッド)の追求でもあるので

仕事を終えた後、
周囲の反応に対して「そんなつもりじゃなかった」と言わないで済むためには

「自分の正義」を常に隠さず
誰が見ても分かるよう表に出しておくことが、大事じゃないかなと思っています。

自分の正義って、他人には暑苦しいかもしれませんけどね…(すみません)

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