2年で大学院を修了することを断念した理由

大学院・研究

大学院の修了を、半年~遅らせることになりました。

来春3月の修了を断念し、半年後、9月の修了を目指します。

時間が足りない

単位は取り終え、あとは論文提出のみなので
なんとか同期と一緒に修了したい気持ちはありました。

ただ、週末は研究に充てられますが、平日は睡眠時間を削るにも限度があり。
5時間を下回ると、日中かなりきついです。

運動時間も減って、体重計にのると筋肉量が落ちています。
長時間机に向かっているからか、首の痛みが増し、夜は眼もかすみ。

ザ・老いとの闘い。

20代、30代なら、この闘いも気合いと体力で乗り切れました。
ただ今それをやると、老後の健康に多大な影響が及ぶこと、間違いなしです。

健康を維持するに足る、睡眠時間と運動時間を確保できない。
その時点でもう物理的に無理なのだろう、と判断しました。

心理学及び研究方法の知識不足

人より時間がかかるのは、そもそもの知識が足りないからです。

異分野からの挑戦でも、大学院に入るだけなら、的を絞った受験勉強でクリアでき
入学後も、講義やワークなら仲間が助けてくれました。

でも、研究は違います。

指導教官もヒントはくれますが、
仮説を立て、先行研究を読み、データに向き合い、分析し、
それを繰り返した後、結果をまとめ、論文化するのは孤独な道のり。

特に私は、数百名のアンケート結果から、差や関連などを分析する「量的研究」ではなく
インタビュー内容を分析し、共通概念やプロセス、相互作用を分析する「質的研究」をしています。

統計ソフトは使えず、自分自身が分析装置。
poorな装置からは、poorな結果しか出せません。

ゼミでは、指導教官以外の教授や先輩方から

「概念がニュートラルになりすぎでは?」
「もっと体温の感じられる概念にしたら」
「シンプルに、この研究から何が言えたのか挙げてみて」

と指摘を受け。

思いはあっても、力が足りない。
人のせいにも、世の中のせいにもできない。

本当に落ち込みました。

唯一の救いは
ふがいない自分としっかり向き合い、諦められるようになったことかもしれません。

『精神的健康における適応的諦観の意義と機能』

※適応的諦観
「自己や状況のネガティブな側面をそのまま受け入れつつも,そこにこだわらない前向きな態度」

研究計画が不十分、研究計画の変更

(これは今後、異分野から進学される方への情報になるかもですが)

おそらく筑波カウは、カリキュラム上
他の心理系大学院(修士)より、研究の開始時期が遅めになります。

社会人大学院、かつ、博士前期課程(後期への進学が視野)なので
1年次は、知識習得のための講義が主体で、所属研究室が決まるのは1年次の12月。

もちろん、入学前から研究計画がバシッ!と決まっている方は
1年次から講義と並行し、自力でどんどん研究を進められますが。

私のように初学者で
かつ、入学前の研究計画が不十分だったり、内容を大幅に変えてしまうと
実質的な研究期間は1年未満。

よほど優秀で、仕事の融通がきく方でない限り、かなりハードな道のりになります。

まとめ

以上、私が2年間での大学院修了を、断念した理由についてまとめました。

指導教官は、優しすぎるくらい優しい方なので
「福田さんの研究の質の高さや、進捗状況は極めて順調で
十分以上の水準に到達するであろうと感じています」とおっしゃって下さいます。

ただそれは、心理学初心者、研究初心者、時間不足を
不十分すぎる分析の言い訳にすれば、という前提で、です。

どうしても、インタビューデータの重みというか
話を聞かせて頂いた方々の顔や表情が、今も頭に浮かび。

自分的に「納得」まではいかなくても、せめて「諦め」のつく形にしたくて
指導教官に無理を言い、もう半年、居座らせて頂くことになりました。

半年延ばしたところで、変わり映えしなそうですが
挫折を挫折ととらえなくなったところが、年を重ねてよかったところかも、です。

早速、初心に立ち返り、先行研究の読み込みからやり直しています。

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