親の思いを尊重した、親目線での終活サポート。
難しいですが、親も、もともとは誰かの子。
まずは、親の「親ガチャ」感を、聞くことから始めてみてはどうでしょう。
※湯河原 石葉 観月庵
親にも、必ず親がいる
「親ガチャ」
どの親のもとに生まれてくるかを、子どもは選べない。
遺伝的能力や、経済力など。
それを、ガチャガチャの当たり外れにたとえた言葉です。
先週、父(75歳)とふたりで食事をしながら、昔の思い出話をしていたら
父の口から「親ガチャ」という言葉が出て、驚きました。
そんな流行りの言葉、知ってるんだー、と。
金銭的な事情から、私が学生時代にやりたくてもできなかったこと。
それに触れたときだと思います。
「それって、親ガチャって言うんだろ?」と。
その後、「でも、父さんだって」と、自分の話を始めました。
父は、7人兄弟の7番目。
いったん中卒で就職しましたが、1年後、高校に入り直し、大学を卒業し。
理系の研究室推薦でメーカーに就職し、定年まで勤めあげ。
私が産まれた後も奨学金を返していたと、昔、聞いた記憶があります。
母も5人兄弟の末っ子で、中学生のときに父(私にとっての祖父)が他界しています。
親ガチャと聞くとつい、自分目線で考えがち。
でも、時代的には親の方がもっと、親ガチャ感があるでしょう。
家庭の事情で諦めたことだって、たくさんあったはず。
それに比べ私は、奨学金や教育ローンは使わず、大学まで行かせてもらっています。
久しぶりに父とビールを飲み、楽しかったからとはいえ。
いい歳をして、そんなことを口にした自分にへこみつつ。
でも、親と自分を冷静に見て。
健全な親ガチャ感が、なまけがちな私たちを育て引き上げてくれたとも感じました。
(親には失礼ですが・・・)
親の親ガチャ感を聞くのも、終活サポート
先日とあるセミナーに参加したとき、講師だった女性弁護士さん(東大法卒)が「もっと戦略的思考でキャリアを築けばよかった」とおっしゃられ。
十分すぎるキャリアに見えたので、すごく印象に残っています。
誰だって「ああすればよかった」「こうすればよかった」は必ずあるのだと。
だからまずは、親が今感じている親ガチャ感を聞いてみる。
子どもの立場なら、それも立派な終活サポートだと思います。
エンディングノートを書いてもらう前に、『親ブック』を一緒に書くのもよいかも。
内容もイラストも、あったかくてほっこりします。
まとめ
父の「親ガチャ感」を聞き、感じたことについて書きました。
映画『梅切らぬバカ』を観に行きました。
老いた母と、中年になった自閉症の息子の日常が描かれています。