※人間の言葉が通じにくいヒト
弁護士さんが作成した書面を見た感想
他の士業の先生と連携し、仕事を進める機会はよくあります。
専門分野が違うので、もちろん勉強になりますが、別の面から学ぶことも多いです。
今回、弁護士さんが相手方に通知する書面を事前に読む機会があり
その言い回しを見て、「あれ?」っと意外に感じました。
依頼者は「劇怒り」の状態です。
なので、弁護士さんはそれを相手に伝える必要がありますが
書面には「通知人は、大変心を痛めております」と書かれていました。
劇怒りの原因は、法律上、相手方にあると思っているからこそ
依頼者は立腹し、弁護士に依頼しています。
と同時に、「心を痛めている」ことも、確かに事実です。
怒りの根底には、心の痛みや悲しみがあることは間違いないと思います。
逆に相手の立場でも、こちらに正論を振りかざされれば、されるほど
今後、譲ったり、折れたりしにくくなるかもしれません。
弁護士さん的には、精神的苦痛に対する慰謝料の請求など
今後を見据えた戦略ゆえの文言だという可能性もありますが。
「怒り→心の痛み」のように
言い方を工夫するだけでこうも印象が変わるのかと、驚きました。
言葉に強さをもたせない
私がインタビュー調査に使う質問事項のリストを、教授やゼミOBの先生方に見て頂いたときは
質問文の文言について、「言葉に強さを持たせないこと」という指摘を受けました。
「不安や心配は何でしたか」
「困難なことは何でしたか」
ではなく
「しいて言えば困ったと感じたこと」
「ちょっと重荷だなと思ったこと」
「気持ちが揺らいだことがもしあれば、教えていただけますか」
のように。
それまで自分の物言いは、どちらかというと端的ではなく、婉曲的で
長くなりがちな点に気をつけていたくらいでしたが、逆の指摘を受けました。
士業は問題解決が仕事なので、話は論理的に・分かりやすく・短く、が基本です。
ただ、その話し方のクセを普通の方が聞くと、ストレートすぎると感じるようです。
文章からも強さは伝わる
本やブログ、メルマガなどで、士業をはじめとしたいろんな方の文章を読みますが
「ちょっと言葉が強いなあ」と感じることがあります。
主義主張を言い切る方が、メッセージが明確になるから伝わりやすいし
支持されやすいです(逆のケースもありますが)。
ただ、私は方向性や思いには共感できる方の文章でも
「●●すべき」「●●ではないでしょうか」という強い文章が続くと、戸惑います。
そういう自分も、文章に不必要な強さが出ていないか、自戒しながら書いていますが
理想は、貫くところは貫きつつも、優しくあたたかい文章、かなと。
まとめ
物の言い方・書き方で、受け手の印象はまったく変わるので
言葉に不必要な強さはもたせないようにしたいな、と感じたことについて書きました。
今日は個別カウンセリング(対面)が1件。
私の言葉に、強さを感じていらっしゃらないといいのですが。