税理士に払う相続税申告報酬に決まりはある?

相続・遺言・遺産分割

基礎控除額が引き下げられたことにより
平成27年の相続税の納税者数は、前年の1.8倍にも増えました。

相続税申告を税理士に依頼するといくらくらいかかるのか、
不安に感じる方が多いようです。


※代々木公園にて

税理士報酬に決まりはある?

以前は、税理士報酬規定というものがあり
税理士がお客様に請求できる報酬の「上限」が定められていました。

ただ、この規定は平成14年3月末に廃止され、
現在は、税理士がお客様に請求する報酬に公の決まりはなく、自由に決めてよいことになっています。

相続税の申告報酬も、
遺産額や相続人の数、土地の数、非上場株式の有無などに応じた報酬表がある税理士もいれば、
報酬表はなく、業務が終わる都度、難易度や作業量に応じた報酬を決め
お客様に請求する税理士もいます。

相続税申告報酬には何が含まれる?

相続税申告の依頼を受けた税理士が行う業務は、主に税務書類の作成税務代理の2つです。

・ 税務書類の作成 相続税の申告書を作成すること
・ 税務代理    相続税の申告・請求・不服申し立て・税務調査などにつき、納税者の代理人として意見を主張したり、考えを述べたりすること

報酬に、どの範囲の業務まで含まれているかは、税理士によって異なります。
また、同じ税理士に頼んでも、引き受ける業務の内容により、報酬が異なることもあります。

事前に見積書をもらう、依頼時には契約書を取り交わす、など、
あらかじめ依頼内容と報酬について、確認の上合意しておいた方が、お互いに安心できると思います。

一般的には、申告書を作成する「税務書類の作成」だけではなく
「税務代理」も引き受けることが多いです。

「税務代理」とは?

「税務代理権限証書」という書類を、申告書と一緒に税務署に提出すれば、

・税務署から、税務調査の事前通知を受ける
・税務調査当日に立ち合う
・税務調査の際、納税者の意見を主張したり、法律の解釈について税務署の担当者と議論したりする

といった「税務代理」を、納税者の代理人として、その税理士が行うことができます。

「書面添付制度」とは?

上記2つに加え、税理士が書面添付という制度を利用してくれることがあります。

「税務代理権限証書」に加え
「税理士法第33条の2第1項に規定する添付書面」を税務署に提出しておけば、

税務署が、提出された申告書に疑問点があったり
財産の申告もれや評価の誤りなどを見つけたりしたときは、

税務調査を行う「前」に、税理士を税務署に呼び、
申告内容について「意見聴取」を行う決まりになっています。

税理士にとっては、書面の作成に多少の手間はかかりますが、
納税者にとっては、税務署と税理士の意見聴取の段階で結論が出れば、税務調査を受けずに済み、
この段階で行う修正申告には、過少申告加算税が課されないというメリットもあります。

税理士と報酬でもめると訴訟になることも

報酬は税理士によって異なるし、依頼する業務範囲によっても報酬が異なる可能性がありますので、

・申告書作成だけ
・申告書作成+税務代理権限証書
・申告書作成+税務代理権限証書+書面添付

のどのパターンで依頼するのかも、事前に確認しておく必要がありますね。

また、ある税務雑誌(週刊T&Amaster2017年3月20日号)に、
相続税申告の報酬につき、お客様と税理士との間で訴訟になった事例が2件、紹介されていました。

事前に報酬の合意がなかったため、トラブルになったようですが、
裁判所は「(旧)税理士報酬規定」を基に報酬額を算定したとのこと。
↓税理士に依頼する前に、旧税理士報酬規定を確認しておくのも、参考になるかもしれません。

ひとりごと

祝・ショートヘア! 自分史上、最も短い髪になりました。
理由は単なる「時短」。洗う→手ぐしで乾かすだけで済み、1日に40分は節約できている感じがします。

周囲の反応は賛否両論ですが、本人は大満足してます。
ただ、意外にも男性からは好評で驚きました。男性=ロングヘア好き、は思い込みかも。

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