今月、内閣府のHPに公表された、結婚・子育て資金一括贈与非課税特例のQ&Aを読んでいたところ
相続後の取扱いがスムーズに理解できない点がありました。
【5 贈与者が死亡した場合について
Q5-3 贈与者が複数いる場合は、どのように取り扱われますか?】
↓
「死亡した贈与者が拠出した金額と、生存する贈与者がそれぞれ拠出した金額の割合で按分し、
受贈者が相続または遺贈に取得したものとみなされる金額を計算します」
つまり、子が父から600万円、母から400万円、合計1000万円をもらい、
500万円使ったところで父が亡くなったら
(1000万円-使用済500万円)×(父贈与600/父母贈与計1000)=父贈与分の使い残し300万円を
父の相続財産にプラスし相続税が課税される、これはOK。
でも、
「贈与者の死亡日までに、専用口座に預けられた金額から、
受贈者が相続または遺贈により取得した金額を控除した残額は、
引き続き結婚・子育て資金の非課税枠として引き続き活用いただくことができます」
これについては、「1000万円から300万円を引いたら、あれ700万円?」と読んでしまい。
Q&Aを作った人も混乱したのか、「引き続き」が2回も入っていたりして (*^_^*)
ここは「1000万円から、既に子が結婚・子育て資金のために使った500万円と
相続税課税済の300万円を引いた残りの200万円が、結婚・子育て資金の非課税額」と読むそうです。
父贈与600万円の使い残し300万円は、既に相続税の課税を受けているので
結婚子育て資金に使途の制限をされることなく、自由に使えるということですね。
※実際には、銀行の商品設計次第のようですが、既に商品化された銀行では、使途自由のようです。
一方、教育資金一括贈与贈与税非課税特例Q&Aも
「通学定期券代」「留学渡航費」が教育費に追加されたため、改めてQ&Aを読みましたが
「非課税になる費用か?」「領収書の記載は?」など、やっぱり読めば読むほどメンドクサイ大変です。
それに、あまりに詳細な個人情報(結婚・離婚・再婚・不妊治療、産後ケアその他の医療情報)を
こんなに銀行に開示するのも、特に富裕層の方にとってどうなんだろう…マイナンバーだってあるのに…
という訳で
教育資金一括贈与なら、入学金や授業料で使い切れそうな範囲で、
そして、結婚・子育て資金一括贈与は使わず、相続税法上の「都度贈与非課税」
(必要な都度、生活費・教育費を贈与するなら、使途の制限などはなく、贈与税は全額非課税)で
対処するよう、お客様にはご案内することにします。
制度を使いたい方は、事前にQ&Aを熟読した上で、銀行へ足を運んだ方がいいですね。
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