「3つのよいこと」メモで毎晩幸せに眠れる理由

心理学・カウンセリング

毎日夜寝る前に、その日の「よかったこと」を3つ書きだす「3つのよいこと」メモは

おだやかな気持ちで、眠りにつけ
さらに、日々の小さなことに幸せを感じやすくなるので、おすすめです。

※ 婦人画報1月号の付録「和ダイアリー」

「3つのよいこと」メモとは

この「3つのよいこと」メモは

ポジティブ心理学を提唱したセリグマン博士らの研究
Three Good Things(TGT)、うまくいったことエクササイズ、がもとになっています。

人間は、もともとポジティブより、ネガティブにひっぱられやすい生き物です。

この「ネガティビティ・バイアス」、危険な場面を生き延びるには必要な資質ですが
普段の生活で、特に眠れないときに発揮されると
イヤなことや悩みごとで、さらに頭がいっぱいになってしまいます。

そこで、夜寝る前に、その日の「よかったこと」を3つ思い出し、書きとめる。

これを毎日続けるだけで、1日をおだやかな気持ちで終えられるようになります。

やりかた・書きかたは自由

やりかた・書きかたは、自由です。
デジタル派なら、Evernoteにメモするのが楽ですね。
私は、毎年、婦人画報の1月号に付録でついてくる「和ダイアリー」にメモしています。

週のページには、季語や季節の銘、
月のページには、二十四節気や七十二候が書かれていて、ビジネス向きではないものの
よかったことを3つメモするだけなら、次の週や月をめくるのが楽しみで、続けやすいです。

毎日3つは一見大変そうですが、慣れるとむしろ、3つ以上書きたくなる日の方が多いです。

私は、本当にささいなことばかり。
2022年になってからの、ささいなこと度の上位は

・ハンカチにアイロンをゆっくりかけられた
・寒すぎた昨日に比べたら、ちょっと暖かくてうれしかった
・今年の初雪、キレイだった!

など。

もともとの、セリグマンらのプログラムでは
その日「うまくいったこと」に加え、「その理由」も3つ、書くそうです。

ただ理由まではハードルが高いですし(初雪がキレイなことに、特に理由はない)
1日、ほんの2分程度
自分が続けられる形で続ければ、何より自分自身が効果を実感できると思います。

根拠(エビデンス)について

研究的には、エビデンスが気になります。

セリグマンらの研究では、Three Good Thingsを1週間続けた結果、
幸福度がアップし、抑うつ度(うつの症状)はダウン。

さらに、効果がその後半年間も続いた、という研究結果が出ています。

ただ、海外でMongrain and Anselmo-Mattews(2012)が行った追試では
幸福度はあがったものの、抑うつ度はさがらなかった、とのこと。

日本では

良いことを毎日3つ書くと幸せになれるか?/独立行政法人経済産業研究所(2013)
「3つの良いこと」が心理的指標に与える影響/日本心理学会第79回大会(2015)

などがありますが、セリグマンらの研究通りの結果は出ていません。

読む限り、特に経済産業研究所の調査は前提条件が違いすぎ
(毎日ではない、被験者が調査会社のモニターで、頻度に応じた謝礼あり、など)

毎日自発的に続けるどうかや、自分をよい状態で維持したい気持ちがあるか、などが
影響している気がします。

まとめ

以上、毎日夜寝る前に、その日のよかったことを3つ書きだす「3つのよいこと」について書きました。

昨夜の3つのうちの1つ目は「朝、ムクノキに、セキレイが5羽とまってたこと」
(リビングの窓から、大きなムクノキが見えます)

ポジティブ心理学は、人間のマイナスさをゼロに引き上げるような、従来の臨床心理学の視点ではなく、新しい分野の研究なのでいろいろな意見がありますが

 

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『ポジティブ心理学の挑戦』マーティン・セリグマン

こういった本なら、一般の方でも面白く読めると思います。

-心理学・カウンセリング

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