相続税申告書、マイナンバーの記載がいるのはいつから?

相続・遺言・遺産分割

昨年(平成28年)より、税務関係書類へのマイナンバーの記載が、既にスタートしています。

と同時に、申告書提出時、税務署の窓口では、

・ 申告書に記載されたマイナンバーが正しいかの「番号確認」
→通知カードの提示

・ その人が確かにその番号の持ち主であるという「身元確認」
→運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険者証などの提示

が、本人確認として必要になったので、煩わしく感じている方も多いでしょう。

※ プラスチック製のマイナンバーカードの発行申請を行い、それがお手元にある方は
マイナンバーカードだけがあればOKです。

でも、今年(平成29年)提出する申告書であっても
マイナンバーの記載が不要なケースがあります。

念のため、確認しておきましょう。

マイナンバーの記載はいつの申告書から必要?

所得税・贈与税
平成28年1月1日の属する年分以降の申告書から、マイナンバーの記載が必要です。

つまり、通常は今年の確定申告(平成29年3月15日申告期限)で提出した、
平成28年分の申告書からマイナンバー制度がスタートしています。

一方相続税は、平成28年1月1日以降の相続や遺贈に係る申告書
つまり、亡くなった日が平成28年1月1日以降の方の相続税申告書から
マイナンバーの記載が必要です。

相続税の申告期限は相続の10か月後なので
平成28年11月1日以後に申告期限を迎える申告書から、
マイナンバー制度がスタートしているといえます。

今日、提出する申告書には必ずマイナンバーが必要?

とはいえ、平成28年11月1日以後、
例えば今日(平成29年4月11日)提出する相続税申告書には、
必ずマイナンバーの記載が必要かというと、違います。

例えば、以下のような事情により、今日、税務署に申告書を提出しても、
亡くなった日が平成28年1月1日より前の方の相続税申告については、
申告書へのマイナンバーの記載も、提出時の本人確認も不要です。

 

・ 期限後申告
亡くなった日は、平成27年12月1日(1年4か月以上前)で、
本来の申告期限は平成28年10月1日だったが
申告書を提出したのは今日(平成29年4月11日)。

遺産の総額が基礎控除額を超えていることに気づかなかったため
期限を過ぎてからの申告になった。

・ 修正申告
亡くなった日は平成27年12月1日で、
本来の申告期限である平成28年10月1日までに申告書は提出済。
でも、今年の年明けに遺品の整理をしていたら、新たに預金通帳が見つかったため、
提出済みの申告書を修正する必要が生じ
今日(平成29年4月11日)修正申告書を提出した。

 

つまり、相続税の申告書は、亡くなった日が
「平成28年1月1日以降か」「平成27年12月31日以前か」
で判断すればOKです。

ひとりごと

犬連れで泊まれる宿に一泊しました。
レジーナリゾートの宿は、どこも料理がおいしく、スタッフの方はフレンドリー。
そして、犬育てについてもいろいろ教えて頂けるので、リピーター化しています。

そんな訳でつくしもすっかりリラックス。

あいにくのお天気でしたが、桜ドライブを満喫できました。

-相続・遺言・遺産分割

関連記事

専門家の書く相続本はなぜ読みにくいのか

FPさんが書いた、相続本のゲラチェックを終えました。 5/8の校正期限までに、ゲラを編集者さんに返送でき一安心。 読みやすくあったかい文章で、私の母世代の女性が読むのにピッタリの本でした。 今回のゲラ …

「生前贈与がダメになる」は誤解。でも節税目的の生前贈与はしにくくなる

「生前贈与がダメになる」と言われても 何がどう変わるのか、正しくわかっている方は少ないようです。 ざっくり言えば、生前贈与ができなくなるわけではなく 「相続税の節税目的での生前贈与がしにくくなりそう」 …

「3親等内親族」って誰のこと?

目次1 メディア情報2 「3親等内親族って、誰のこと?」2.1 親族とは2.2 3親等内親族とは2.3 3親等内親族の範囲3 さらに理解を深めるなら…4 ひとりごと メディア情報 今朝は日経モーニング …

税理士は遺産分割協議書を作成できない?

「税理士は遺産分割協議書を作成できない」という、誤解があり 今月発売されるFP向けの雑誌に、これに関する短めの記事を書きました。 が、先週土曜、税理士の都築巌先生主催の研究会に参加したところ、 やはり …

要件には注意。配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例

相続税が大幅に安くなる特例といえば 【 配偶者の税額軽減 】 配偶者は、相続した財産額が1億6,000万円または法定相続分までは、相続税がかからない 【 小規模宅地等の特例 】 自宅の土地を、 配偶者 …