即位祝賀パレードにふさわしい、秋晴れの日曜日。
私は新宿御苑で2年に1度行われる、茶道のお稽古場主催のお茶会に参加していました。
とりあえず、この場での自分の役目を果たし、ほっと一息ついてます。
お茶会での様々な「お役」
茶道のお稽古を始めて、もうすぐ8年。
私のお稽古場には、70人以上の生徒さんがいましたが
子育てや仕事の都合で、お稽古を中断する人も増えました。
そのため、下っ端だった私のお茶会での「お役」も徐々に変わり
2年前には半東が、そして今年は亭主が、全9席中2席割り当てられました。
※1席目の亭主が終わり、知り合いを見つけた(らしい)私
茶席で前面に出るのは、茶を2~3碗点てる「亭主」と
道具の説明、正客・次客へのお運び、正客との会話などをこなす「半東」の2人です。
でも、茶席1席には20人前後、毎回違う人数のお客様が入るため
席全体の統括担当や案内担当、
そして裏では、残りの客へ出す茶を点てる裏点や、お運び、湯沸かしなど、多くの人が動きます。
どのお役が割り当てられても、自分の持ち場を全うしないと、スムーズに席が進みません。
チームスポーツの各ポジションと同じです。
美味しかったー、楽しかったーと言ってお客様が帰られると、安心します。
一職業人としての自分の「持ち場」
そして、一職業人としても
自分が本来立つべき「持ち場」を全うしたいなあ、と強く思うようになったのは
40代になってからでした。
必死にキャリアを積んでいた30代の頃は
男女問わず、同年代の友人知人たちと自分を比較しては、いつも劣等感を感じ
落ち込んでいましたが
今は、まったく逆です。
人との比較ではなく、社会に存在する職業の中で
自分が担うべき「持ち場」はどこで
それをどう全うするかを、いつも考えるようになりました。
今年の夏、テレビ局に勤務する知人が、海外支局の支局長になることが決まり
内輪でお祝いをしました。
海外情勢が混沌としている今は、非常に激務のはずですが
テレビの画面に映る、自分の持ち場で頑張っている彼女を見るたび
「よし!私も自分の持ち場を全うするぞー!」という気持ちになります。
年を取って本当によかったなあ、と思うのは
公私共に、尊敬すべき友人・知人・先輩・後輩・お客様がどんどん増えることです。
私の周囲には、なぜかすごい持ち場にいる人が多く
以前なら、それで劣等感の塊になっていましたが
今は不思議と、それがパワーの源になります。
私は私。楽しみながら自分の持ち場を全うします。
ひとりごと
この時期の、新宿御苑の菊はとても美しく
なのに、菊の前で撮ってもらった自分の写真は、年々…
その点は年を取ってよかったな、とは思えない瞬間です。