税理士は年36時間の研修受講が義務ですが
限られた時間の中で、何を学び、何をパスするかの選択が難しいところです。
日々の仕事もあるし、民間の研修や本で勉強する時間も確保したいし。
ただ、私は研修に限らず「必要かもしれない」と思っても
不安に駆られ、あせって手を出すことのないよう気をつけています。
必要「かもしれない」ことは、たいていの場合「しなくてよい」こと、だからです。
「税理士なのに恥ずかしい」を捨てる難しさ
三連休中に、全国女性税理士連盟主催の研修に参加しました。講師は笹岡先生です。
「女税はいいですね。つまらないギャグでも笑ってくれますから。
男性ばかりの会場だと、黙ってにらまれて終わりです」とリップサービスされていました。
土地評価の基礎編なので、みなさん余裕~な感じで聞いていましたが
途中でふと「今説明してる、この『不動産登記事務取扱手続準則』の地目23種類、
実務で必要になる方っているのかな?」と思いました。
(不動産鑑定士じゃないので、税務上は基本的に9種類に区分できればOKです)
もちろん、知ってた方がいいけれど
ページ数と時間との兼ね合いからは、飛ばしてもいい内容かな、と(おこがましいですが)
そういえば先週、同じく資産税専門のご近所税理士さんが
「国際相続や事業承継税制を詳しく勉強する時間が取れない」とつぶやいていました。
彼は、金融機関から紹介される相続税申告の仕事がメイン。
紹介者からの質問電話には、持てる知識で即座に答えたいと考えている誠実な方です。
私も勤務税理士時代、ハウスメーカーや金融機関からの質問電話を取ることが多く
同じような悩みがありました。
「税理士として、税務の質問電話には即答できないと恥ずかしい」と。
ただ今は、その考えを捨てました。
捨てない限り、私の限られた能力と時間では「ひとりブラック」から抜け出せないからです。
まじめな人ほど「完璧」に縛られる
税理士に限らず、何らかの肩書や資格があると
一定の評価を得られる反面、それに縛られてしまうデメリットがあります。
なので、私は自分を戒めるため、「縛られる」ではなく「呪われる」という言葉を使い
自分の逆算手帳の「やらないことリスト」に
・ 資産税の知識だからといって詰め込まない。覚えることに時間を使わない
とメモしています。
それに、周囲を見る限り
・ 妻であること
・ 母であること
・ 親の考え(自分の育てられ方)
など、いろんな呪いがまだまだ多く
まじめな人ほど、自分の肩書としてのあるべき姿=完璧さに縛られ、辛そうです。
必要かもしれないことは、しなくてよいこと
睡眠時間
家族と一緒に過ごす時間
体調が悪い時に休む時間
それらを削らないとできないことは、やらないと決める。
単なるA=Bという知識なら
即答できなくたって、今はネットの中に山ほど情報があります。
誰にでもできる仕事や家事なら
タダでもお金を払ってでも、誰かに頼んで大丈夫。
「みんながやっているから、私もやらなきゃ」ではなくて
「みんながやっていることなら、私はやらなくていい」という発想の転換
そんな割り切りも、必要だと思います。
その時間を、自分にしかできないことのために、使いましょう。
ひとりごと
今日は自転車で事務所に来ました。
30度まで上がるそうですが、空はすっかり秋ですね。
夕立がきませんように。