今さら人に聞けない「和食のマナー」
私もきちんと教わったのは、茶道のお稽古を始めてからです。
お茶事のお稽古で、茶懐石を頂く際に周囲の方から教わりました。
いくつになっても、知らないことを知るのは楽しいですね。
和食のマナー、最大のポイントは「箸使い」
とはいえ、完璧に覚えるのは大変ですし、
形にこだわりすぎると、せっかくのお料理を美味しく頂けなくなってしまいます。
お茶ではなく、お酒を楽しむときはなおさら…
でも、大丈夫。
最大のポイントである「箸使い」さえしっかり押さえれば、
きちんと見えること間違いなし。
そこで、和食の作法で絶対に外せない、箸使いのキホンをまとめてみました。
(食事中に箸を置く場合、箸置きも箸袋もないときは
汚れが膳につかないよう、このように膳の左端に掛けておきます)
箸の「取り上げ」方
箸はどんな場合でも、必ず以下の順で取りましょう。
膳に限らず、大皿料理の取り箸や、菓子器の箸なども、この順で取るときれいです。
1.右手で箸をとる
2.左手で箸を下から支え、右手を箸の右端へすべらせる
3.すべらせた右手は、箸の右端を通って手を返し、箸の下を持つ
4.左手を離せば、正しい箸の持ち方になっています
この「右手で取る→いったん左手に取る→再度、右手で再度取る」という動作を
「あしらう」と言ったりします。
お箸に限らず、他人に物を取って渡すときなどは、いったん「あしらって」渡す方が丁寧です。
器とお箸、どっちを先に取る?
箸を取るときは、通常、何かを食べるとき。
つまり、右利きの人は、右手に箸を、左手に器を同時に持つ必要があり、
(※和食では、大きいお皿以外は、手に持って食べて構いません)
上記のように、左手を活用できません。
その場合、お箸を先に取ることはせず、 必ず器→箸の順で取ります。
まずは、器を右手(または両手)で取り、左手に持たせます。
その後、右手で箸を上から取ります(上記1の状態)
でも、左手は既に器を持っていますから
上記2のように、右手に持った箸を下から支えることができません。
その場合、どうするかというと・・・?
右手の箸先を、器をもっている左手の人差し指と中指で軽くはさみます。
そのまま、右手を箸の右端まで滑らせ下をとれば(上記3)正しく持てます(上記4)
お椀や小皿などから料理を頂くときは、この手順が必要になりますね。
有名店の料理人さんによると
近所の和食屋さんで食事をしていたところ、
カウンターの隣の席に、西麻布の豪龍久保の大将さんがいらっしゃいました。
雑談ついでに
お客様の和食のマナーを、料理人さんはどのくらい気にするかを伺ったところ
細かいことは一切に気にせず、とにかく美味しさを味わってほしいとのことでした。
豪龍久保さんは
生産者さんと密に連絡を取るなど、食材の仕入れに非常にこだわりのあるお店。
結局は、料理を頂く側が、お店・料理人・器・生産者さんに尊敬と感謝の気持ちを込めれば
おのずと美しい頂き方になるのかもしれません。
ひとりごと
四季を感じられるのが、和食の醍醐味。
八寸には、京菜花やアスパラが。
そして、蛍烏賊やウルイも。器の中は春満載です。