「高すぎる」「関係なさそう」な経費はダメ?

税・お金

先週は丸2日間、顧問先法人の税務調査に立ち会いました。
実地調査は一応終わり、今後は税務署の指摘事項につき、やりとりすることになりそうです。

土曜に受講した、都築法務税務会計研究グループの研修テーマは、
タイミングよく、「税務調査に生かす課税要件」でした。
来週末は日帰りで、大阪の都築研究会にも足を運ぶ予定です。

都築先生は、新参者に対しても、いきなり名指しで意見を求めるのでドキドキです…

「高すぎる」「関係なさそう」な経費はダメ?

税務調査の際、調査官から、業務上支出した経費について
「高すぎるから」とか「事業に関係なさそうだから」(経費にするのはダメ)といった
漠然とした指摘を受けることがあります。

間違いなく事業のために使ったお金でも、税務署の人にそう言われると
「ダメなのかな・・・?」と、会社の方は不安になるようです。

租税法律主義

憲法には「租税法律主義」という、課税の基本原則が定められていて
あくまで「法律」の根拠に基づかない限り、国民は税金の納付を要求されることはありません。

でないと、財産権の侵害ですから…(^_^;)

なので、高すぎるとか、関係なさそうだ、などと言われても
「高額なものはダメ」だと、法律に書かれていないなら
単なる調査官の私見にすぎず、間に受けなくても大丈夫です。

※ 中には、「不相当に高額なものはダメ」と、法律に定めのあるものもありますが
(例えば、法人税法第34条の役員給与など) それはごく一部です。

ダメかどうかは、事実関係と法律の規定次第

納税者か顧問税理士が、「何の法律に違反しているのか、根拠を教えて頂けますか」と
調査官に対しきちんと説明を求めた上で、
事実関係を説明・立証し、税法の解釈と適用を議論します。

つまり、大切なのは、「事実がどうなのか」と「税法にはどう書かれているのか」!
売上原価として支出したことが事実なら、どんなに高額でも、税法上は全額費用で何の問題もありません。

平成25年に改正国税通則法がスタートしてからは、無理な税務調査や課税は減ったと聞きますが、
一般の納税者の方は、税法の知識がないのが普通ですから
税理士が、税法の正しい知識を持って、対応する必要がありますね。

税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)
税務調査手続に関するFAQ(税理士向け)

-税・お金

関連記事

投資信託。商品名の見かたをおさえれば、中身も大体わかります

投資初心者にとって最初のハードルは、「何に投資をしたらいいか」だと思います。 中でも投資信託は、選び方が難しいと思われがちですが 「商品名の見かた」さえおさえれば、だいたいの中身が分かるようになります …

私は私。でもマイナンバー制度の「本人確認」ではその証明も必要

今朝の日経新聞の、「マイナンバー始動 どう変わる」という記事では マイナンバー導入のスケジュールやねらいなどが、解説されています。 ※ 『身近な人が亡くなった後の手続のすべて』の広告も、掲載して頂いて …

申告書、レターパックならOK。でもゆうパックではダメ

ヤマトのメール便や、日本郵便のゆうメール。 ダイレクトメールなどの送付に、よく利用されています。 普通郵便より安い上、配送状況の確認までできるという点がメリットです。 また、郵便局からは、ゆうパック、 …

訴訟部門の月次研究会と消滅時効の研修へ

月曜は、日本税務会計学会の月次研究会へ。 テーマは中央出版事件です。

マイナンバー、紙は印刷しないに限る

昨日午前は、相続後見マネー塾(通称女士会。女性FPと士業の集まり)の月一勉強会、 午後は、安本主催の未来経営塾(若手経営者10人)の講座で、 夜は訴訟部門の月次研究会。 3か所での議論内容はまったくバ …