つきあうのが難しい人がいたら、パーソナリティ障害の視点が役にたつかも

心理学・カウンセリング

「つきあうのが難しい」と感じる人がいたら、その人から離れるのがとりあえずの対処法です。

でも、簡単には離れられない場合
たとえば、会社の上司や同僚、お客さま、ママ友、ましてや自分の親兄弟となるとそうもいきません。

そんなときには、「パーソナリティ障害」の視点が役にたつこともあります。

対応に困る「難しい人」

・ 自分の立場にこだわり、聞く耳をもたない
・ 疑い深い
・ 態度や考え方が両極端
・ すぐ感情的になる
・ 衝動的に問題行動を起こす

といった人に対応するのは、大変です。
こちらの感情やペースも、大きく乱されます。

離れても支障がないなら静かに距離を置くのが一番ですが、それができないときにどうするか。

難しい人である原因は、遺伝や育てられ方と関係が深いので
「性格が悪い!」とか「そんな考え方は間違ってる!」と憤っても、事態は解決しません。

そんなときは「この人はパーソナリティの『偏り』が強いんだな」という視点を持って接すると、少し楽につきあえます。

パーソナリティ障害とは

「偏り」が度を超すと、「パーソナリティ障害」と診断される可能性があります。

パーソナリティ障害とは、極端に偏ったパーソナリティが原因で社会生活が難しくなる精神疾患です。

投薬が必要な統合失調症(旧・精神分裂病)や双極性障害(旧・躁うつ病)ほど重度ではないものの
アメリカの研究では、人口のなんと15%がパーソナリティ障害だと報告されているとのこと。

特徴によって、以下の3群10種類に分けられます。

パーソナリティ障害の類型

・A群:奇妙で風変わり(疑り深い・孤立的・行動や言動が奇妙)

・B群:感情的で移り気(思考や感情が不安定で極端・自分は特別感強すぎ・演技的)

・C群:恐怖心が強く内向的(他者依存・融通きかない・不安や緊張生じやすい)

良し・悪しではなく、偏りの濃淡だと考える

普通の人が、各群の具体的な障害名を知る必要はありません。

ただ、誰でもそれなりにパーソナリティの「偏り」があるとアメリカのデータからは想像できるので
(優劣ではなく、それを自分らしさとして活かし、社会生活を送れている方が大半ですが)
どんなタイプ別に分類できるのかは、知っておいて損はないと思います。

たとえば、あまりに対応に困る人がいて戸惑ったときは
一呼吸置き「この人はどのパーソナリティの偏りが強いんだろう」とちょっと引いて相手を眺めます。

偏りは色の濃淡のようなもの。
人により、濃い面もあれば薄い面もあって当然です。

どんな思考回路を持つ人か、地雷は何か、などを頭の片隅において接すれば、こちらの戸惑いや揺らぎも最小限で済むことが多いです。

公益社団法人日本精神神経学会
厚生労働省

自分の偏りについても気にしておく

さらに、自分にはどういう「偏り」があるか、自分で知っておくことも大事です。

偏り方の強い人ほど、身近な人とのトラブルを抱えやすく
自分の怒りや悲しみ、喜びや興奮、感動、落胆などの感情やそこから生まれる行動が
自分本位で偏り過ぎていないか、折に触れチェックしてみます。

私も組織になじめないということはかなり偏っていると思うので、(これでも)気をつけています(^-^;

ひとりごと

会社員の友人が、難しい同僚への対応に困っているという話を聞き、受験勉強で学んだパーソナリティ障害のことを思い出し、記事にしました。

この本は、元・弁護士で現・臨床心理士の方が書かれた本ですが
難しい依頼者への対応法といった面から、税理士にも役立ちます。

法的トラブルは、B群の境界性パーソナリティー障害や自己愛性パーソナリティ障害の方に多いそう。

ケーススタディも多く、「あるある…」という感じです。
弁護士を何人も解任したり、逆に弁護士の方から辞任されたり、と…

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